ホーム > 世界を知ろう! > ピース・インタビュー > 速水 浩平さん
世界的に人類の課題とされているエネルギー問題。この問題を、今までにないまったく新しい方面から解決しようとしているのが今回ご紹介する速水さんだ。
彼が研究しているのは、人間が普段日常生活で発する音や振動を利用して発電させるという究極にエコな音力エネルギー。
徐々に日本国内のみならず海外でも評価されつつある「音力発電」について、そして将来彼が目指している理想の社会についてお話をうかがうため、研究事務所を訪れた。
文/山口 取材/2007年5月9日

■プロフィール
1981年、栃木県生まれ。慶応大学環境情報学部卒業、同大学院政策メディア研究科所属。2006年9月に株式会社音力発電を設立。ビジネスコンテストでの表彰や新エネルギー賞など数々の賞を受賞。現在、スタッフ3名とともに日々研究に取り組む。
――もともと、音や振動から発電しようと思ったきっかけは何ですか?
小学校のとき、理科の実験でモーターと発電機のしくみが逆ということを習ったんです。
つまり、「発電すればモーターが回って、モーターが回れば発電する」というもの。
だったら音を出すスピーカーでも同じようにできるんじゃないかな、と思ったんです。「電気で音を出せるんなら、音を与えることで電気をおこせるんじゃないか?」という発想がきっかけですね。
――さすが、子どもの発想力はすごいですね!では、小学校からずっと抱いていた思いを、大学生のときに実際に証明しようと研究したわけですね。
はい、ずっと頭の片隅にあって、単純に面白そうだからやってみようと思ったんです。最初は簡単にできるだろうと思っていたんですが、やっぱり難しかった。
周りからも「音から発電するなんて絶対無理だ」といわれていたんですが、そういわれると逆に「絶対成功させたい!」という強い気持ちが生まれて試行錯誤しながら研究に取り組んでいました。
――その努力が実って発電に成功し、現在のように研究が評価されるようになったんですね。ところで、音力・振動力発電はどのようなところで利用できるんですか?
たとえば、今実現に向けて進めているのが道路の電灯です。昼間に車が通った振動を利用してエネルギーを蓄電し、夜その電力を利用するというものです。他にも、災害時の発電機、携帯電話の充電器や、たたくと光るような耳の不自由な人用のおもちゃ等にも利用できます。
また、エンターテイメントとしての用途もあります。
祭りや花火大会でカランコロンという音とともに美しく光を放つ『発電下駄』、「発電床」を利用した環境にやさしい『参加型イルミネーション』などです。
京都の花灯篭やホタルのようなイメージの、日本ならではの新しいエコなエンターテイメントとして世界に広めていきたいと思っています。
――なるほど。音や振動で発電できるのなら、生活のいろいろなところで発電できますよね。とすると、これは将来化石燃料の代替エネルギーとなり得るんでしょうか?
音力・振動力エネルギーは、他のバイオマスエネルギーなどの代替エネルギーに比べて今のところはまだ電力が弱いです。でも、音・振動力エネルギーのすばらしいところは、燃料がいらないというところ。空気を汚すことなく、人間が普段の生活でムダに捨てているエネルギーを有効活用した究極にエコなエネルギーなんです。生活をするだけでいつのまにか発電できるので、日常生活のいたるところに設置して、将来的には社会のインフラになればいいなと思っています。
――普段の生活から無理なく発電できるというところが、普段のアクションで負担なく募金できるイーココロ!と通じるものがありますね。
まさにそうですね。一度便利になった社会ってなかなか変えられないと思うんですよ。だから、今の生活の中で使っている化石燃料からのエネルギーをクリーンな音・振動力エネルギーに少しずつシフトしていき、日常生活を送るだけでいつの間にか発電できれば、無理することなくエネルギー問題を解決することができます。さらに、CO2削減にもつながります。
――ということは、将来は世界的にこのエネルギーを広めていくということですね。
はい。既存のエネルギーをクリーンエネルギーにシフトするだけでなく、電気が通っていないような発展途上国に電気を普及することも考えています。夜、ロウソクの火で生活している国や戦争を逃れてきた人々の難民キャンプなどでも簡単に発電できる機械を普及させたいと思っています。最終的には、音力・振動力エネルギーを使って、世界で起こっているいろいろな問題を解決するために少しでも貢献したいです。
――すばらしいお考えですね!それでは今後も研究頑張ってください。どうもありがとうございました。
音力エネルギーを完全に普及できるまでにはまだ研究が必要ですが、少しずつ世の中全体がエコな社会になるよう今後も研究を頑張ります。一人ひとりが環境問題を考え、意識的に行動に移すきっかけとなれたらうれしいです。
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