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ピース・インタビュー 企業編 Vol.2

アフリカの子どもたちに透明な水を飲ませたい

キリンMCダノンウォーターズ株式会社/マーケティング部 部長 吉沢直大

最近TVで流れている、「1L for 10L」という印象的なCMをご存知だろうか。「1Lお買い上げごとに、アフリカに清潔で安全な水が10L生まれます」というVolvicのCMだ。Volvicの水を買うだけで、アフリカへの水の支援に貢献できるというから、買うほうも気軽にイイコトができて素晴らしい。でも、一体どうやって1Lの水を買うと10Lもの水が生まれるのだろうか。2005年にドイツ、2006年にフランスで始まり、ついに今年日本で始まったこのプログラム。日本でのプログラム実施にあたってのプロジェクトリーダーである吉沢さんにお話を伺い、Volvicを扱うダノングループの世界的な取り組みに注目してみたいと思う。

※日本において、ダノングループの飲料事業を展開するダノンウォーターズオブジャパンとその子会社であるキリンMCダノンウォーターズがVolvicの輸入、マーケティングを行っています。

文/山口 取材/2007年7月20日

■吉沢さんのプロフィール
2006年にダノン ウォーターズ オブ ジャパン株式会社に入社後、キリンMCダノンウォーターズ株式会社に出向。Volvic、アルカリイオンの水のマーケティング活動を担当している。日本におけるVolvic「1L for 10L」プログラム立ち上げから実施まで、プロジェクトリーダーとして携わっている。


――まず、このプロジェクトの内容を簡単に教えていただけますか?
Volvicが日本で行う、アフリカのマリ共和国への水の支援活動プロジェクトです。 7月2日〜9月30日の間をプログラム実施期間とし、その間のVolvicの売上の一部をユニセフに寄付します。この資金を使ってユニセフが井戸をつくり、その後10年間の井戸のメンテナンスも行うという仕組みになっています。10年間で、7億リットルの水を供給することが目標です。

――このプロジェクトは2005年にドイツ、2006年にフランスで始まっていますが、もともと日本でもこのプロジェクトを行う予定だったのですか?
ドイツでプログラムが始まった当初は、日本で行う予定はありませんでした。 実は、入社直後だった私が、ドイツ・フランスでの先行事例を知り、ぜひ日本でもやってみたい!と手を挙げたのがきっかけなんです。

ダノングループは社会貢献活動に非常に積極的な会社で、常に何か出来ないかというマインドを持っていて、世界各国の事例を共有する姿勢があります。そういった社風も手伝い、このように日本でもプロジェクトを行うことになりました。

――入社すぐに世界的なプロジェクトに関わる中で、苦労したことも多かったのではないですか?
最初は自分の知らない領域のことをいろいろと学ばなければならなかったので苦労しましたが、プロジェクト自体はスムーズにいきました。ただ、一番苦労したのは消費者の皆さんへの伝え方です。 「1L for 10L」プロジェクトを、誤解のないように多くの方に知ってもらうためにどうしたらいいのか、皆で何度も話し合いました。

――「1L for 10L」のCMはとても印象的ですが、わたしも初め「なぜ1Lで10Lも?」と不思議に思いました。この意味は、1L買うとすぐに10L生まれる、というわけではないんですよね。
もちろん、すぐにというわけではありません。井戸の建設や現地の人々へのメンテナンスの指導などによって、はじめて清潔な水を供給することができるからです。「1L for 10L」の意味は、1Lの売上が、10L分の清潔で安全な水供給に相当するよう支援をするということです。支援規模の上限は設定されておらず、消費者の皆さんからのご賛同を多く得ることができプログラム実施期間中のVolvicの売り上げ総量が大きくなればなるほど、ユニセフへの支援額も伸び、それによって本プログラムでつくられる井戸の数も増え、より多くのマリの人々が清潔で安全な水の確保できるようになる仕組みです。目標どおり、7億リットル規模の支援を達成できた場合は、約1万人の人々が清潔で安全な水へアクセスできるよう井戸をつくり、その後メンテナンスを行いながら、10年間をかけて7億リットルの水が支援されることになります。その際のボルヴィックからの支援金の規模は約4000万円程度と見込んでいます。

CM等でお伝えしきれないことは、「1L for 10L」専用サイトで具体的な支援の内容や現地へ視察に行った時の様子をお伝えしていますので、ぜひご覧いただきたいです。

――実際の消費者からの反応はいかがですか?
ブログで紹介してくださる方が多いのですが、「Volvicを飲むだけで気軽に社会貢献できるのがうれしい」「友達にも広めたい」という声が多いですね。また、このプロジェクトをきっかけに水問題に関心を持つ方もいらっしゃるようです。

こういった消費者の皆さまのご協力のおかげで、7月中旬で1億5千リットル分に相当するくらいまで既に支援金を提供できることが確定しています。

茶色い水

――ところで、吉沢さんは実際にマリ共和国へ視察に行かれたそうですが、現地で水不足を目の当たりにしてどんなことを感じられましたか?
行く前から水不足の深刻さは聞いていましたが、茶色い水を当たり前のように飲む子どもたちを見て、言葉が見つからないくらい痛ましい気持ちになりました。やはり、現地に行ってみないと実感できないこともありますね。

また、とても印象的だったのは子どもたちの笑顔です。 隣の村には既に井戸があったのですが、その井戸の周りを囲む子どもたちの笑顔を見たときは、これから行う支援の意義を強く感じました。

――先行して行っているドイツ・フランスのプロジェクトでは、どのような効果が現れているんですか?
ドイツはエチオピアでプロジェクトを始めて今年で3年目を迎えますが、子どもが遠くまで水汲みに行かなくてもよくなったので学校に通えるようになったという事例が報告されています。

マリへ視察に行った時、ある人が「水を使って農作業ができれば、現金収入ができて子どもを学校へ通わせられるかもしれない」と井戸の近くに畑を準備していました。マリでも、来年くらいにはそういった夢を叶えられたらうれしいですね。

子ども達

――企業として社会貢献をしていく上で、大切なことは何だと思われますか?
ダノングループのポリシーでもあるのですが、一つは、一過性のものではなく、持続性のある支援にすることです。例えば、水の支援といっても水を送るだけでは問題は解決できません。現地の方に井戸の運営の仕方、修理の仕方を教育し、自分達の手で継続的に水を獲得できるように支援することが大切なんです。

もう一つは、本業と近いところで支援を行うことです。本業の飲料水事業の中で支援を行うことによって、商品を通してお客様に水問題について考えるきっかけを与えられるし、私たちも継続して支援ができるからです。

――このプロジェクトは、ドイツ・フランスのようにこれから毎年行う予定なんですか?
ダノングループの社内では、社会貢献活動を進めるためのサステナブル・ディベロップメントという部署ができたりと、社会貢献活動に対する意識は非常に高まってきています。今年の結果を振り返って、ユニセフと協議した上で来年もより良い支援ができればと思っています。

――ぜひ、来年も実施されることを期待しています。本日はどうもありがとうございました。

吉沢さんより、記事を読んでいただいた方へのメッセージ

マリの現地に行ってみて強く感じたのは、現地の人々の直面する水やそれにかかわる問題の深刻さと、それとは対象的な人々の穏やかで屈託のない笑顔です。このプログラムを通じて、アフリカの水問題についての日本の人々の関心が高まること、そしてより多くの笑顔が1L for 10Lを通じて作られた井戸の周りにできることを願っております。来年、再度、支援した村を訪ね、「1L for 10L」プログラムを通じての日本の皆様からの支援がどのように村の人々の生活を変えたのかを見るとともに、あの人懐っこいマリの子どもたちの笑顔に再会するのがとても楽しみです。私にとっては自分が関わっているVolvicを通した支援活動でしたが、まず自分ができる身近なところから、何か行動を起こしていくことが必要なのではないでしょうか。


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