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ピース・インタビュー 企業編 Vol.3

「セミの着うた」ダウンロードで環境保全

株式会社エムティーアイ/music.jp事業本部 林 泰臣

着うたや着メロの配信で有名なmusic.jpサイトにおいて、環境保全活動を行う団体に寄付するプロジェクトが始まったことを知り興味を持った。とてもユニークなキャンペーンで、セミの鳴き声の着うたを100円で買うとそのうちの70円がNPOを通じて寄付されるしくみという。約1ヶ月強で1万ダウンロードあったというから約70万円がNPOを通じて寄付されたことになる。music.jpを運営する株式会社エムティーアイのご担当者に、このプロジェクトを始めた経緯などを伺った。

文/関根健次 取材/2007年8月7日

■林さんのプロフィール
1982年富山県生まれ。2003年、株式会社エムティーアイに入社後、モバイルサイト企画業務を経験。現在は、音楽配信ブランド「music.jp」に携わり、コンテンツ配信を通して提供できる新しい可能性について日々取り組んでいる。


――「セミの着うた」ダウンロードチャリティーは、どのような経緯で始めたんですか。
弊社は去年まではこのような活動を行っていなかったのですが、今年「音の羽根」さんというNPOと出会い、着うたや着メロの配信を通じて社会貢献ができる可能性があることを知りました。そこで、「音の羽根」さんに支援先を紹介していただく形で、今年からチャリティープログラムを始めることになったわけです。「セミの着うた」ダウンロードチャリティーを始める前にも2つのチャリティーを実施しました。それぞれアーティストの曲をダウンロードすると環境団体などに寄付できるという内容でしたが、2回実施をしてみて、music.jpとしてチャリティーに対する可能性を確信し、さらなる貢献活動を実施したいと考え、「セミの着うた」ダウンロードチャリティーを始めました。

具体的には約60年という長い歴史を持つ自然保護NGO「日本自然保護協会」さんを「音の羽根」さんに紹介して頂き、コンテンツ配信を通じた社会貢献活動の企画を検討しました。「日本自然保護協会」さんにて、毎年、虫や昆虫の生態を調べ、今自然がどうなっているのかを知る「自然しらべ」というイベントが行なわれていることを知り、そのイベントに協力することになりました。

自然しらべ」の2007年度は『セミのぬけがらをさがせ!』ということで、セミがテーマでした。そこで、音楽配信のノウハウをもつ当社としてはセミの鳴き声をセミの紹介と共に、着うたとして配信することを提案しました。1曲100円で「セミの着うた」を配信し、その収益の70%をNPO「音の羽根」さんを通じて「日本自然保護協会」さんに寄付させて頂くこととなったわけです。

――セミの鳴き声の着うたなんて聞いたことがなかったのですが、実際に配信を開始してみて反響はいかがでしたか。
今回、他では恐らく配信していないであろう、6種類に分けたセミの着うた配信ということ、それを通してチャリティーに参加できるということから、ある程度のダウンロード数は予想していたのですが、実際に配信を開始してみて、予想を大きく上回る結果に驚いています。7月から8月初旬の1ヶ月強で1万ダウンロードを超えました。今までも、様々な企画で邦楽・洋楽のジャンルでないコンテンツの配信を行ってきましたが、こちらは月間数百〜最大で3,000ダウンロード程度だったので、大変大きなユーザ様の反響を感じています。

――なぜセミの鳴き声がヒットしたと思われますか。なつかしい、癒される、夏らしいなどコンテンツとしての価値によるものでしょうか。それとも、チャリティーになるからヒットしたと思いますか。

ヒットした理由については、今までになかったコンテンツ(身近にいるセミの鳴き声という珍しい着うたをダウンロードしてチャリティに参加できる)ということで、ユーザ様から興味を持たれ、ダウンロードに繋がったと感じています。さらに、ダウンロードされたユーザ様から口コミで広がり、1万ダウンロードものヒットにつながったのではないでしょうか。

さらに、夏休みという好タイミング、本当にすぐそこにセミがいると思えるぐらいの高音質、6種類のセミ(アブラゼミ、ミンミンゼミ、ツクツクボウシ、ヒグラシ、クマゼミ、ニイニイゼミ)の紹介もサイト内で詳しく行ったことも支持された理由だと思っています。まずコンテンツに興味をもち、ダウンロードし、チャリティに参加された方が多かったのですが、最近では、チャリティーを目的としてダウンロードしてくださる方も増えてきています。

――ところで、どのように告知を行ったんですか。
このようなチャリティーの取り組みは今年始めたばかりということもあり、大々的にプレスリリースを打つようなことはしていませんでした。日本自然保護協会さんが会員へ呼びかけたこと以外はmusic.jpのサイト内で紹介しただけです。ユーザ様への告知として、music.jpでは、検索窓の下に「着セミ」という新しいキーワードにてショートカットリンクをつけるなど、注意を引くような工夫はしましたが、基本的には実際にダウンロードしたユーザ様からの口コミによって広がったのだと思っています。最近では新聞やテレビ番組などの報道関係からの取材があるなど、予想外の広がりを見せています。

――なるほど。しかしこのチャリティープログラムは2ヶ月で終わってしまうのは惜しいですね。
そうなんですよね。今回は、7月から8月末までの期間限定です。また別のかたちで実施したいとは考えています。

――寄付金についてですが、100円のうちの70%というと相当な割合ですが、やはりこれだけ高くした理由はこのプログラムでは利益は度外視し、社会貢献に重きを置いたということでしょうか。
そうですね。当社はこれで収益を得ることは考えていませんでした。こういった取り組みでどれだけ社会に貢献できるかということを追求したかったので、多少の制作費を残す程度にしました。

――社内の反応はいかがですか。社内でセミの鳴き声が聞こえたりもするのでしょうか(笑)。
セミの鳴き声、しますよ(笑)。部署内では、着信音に設定している方も多くて、着信があるたびにあっちこっちで鳴いています。外のバス停なんかで鳴った時なんて本物と間違えられますよ。 あと、全国いろんな地方出身の社員がおりますが、あるセミの鳴き声を聞いた社員が故郷のセミの鳴き声だといって喜んでおりました。癒されるという声もありましたね。

――オフィスでセミの鳴き声が聞こえるなんてことは普通考えにくいですね。どこにいても自然を身近に感じられるし、寄付にもなるし、ステキなチャリティープログラムですね。ぜひ他の昆虫や動物の着うたにも取り組まれることを期待しています。ありがとうございました。

参考サイト

music.jp超高音質

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