ホーム > 世界を知ろう! > ピース・インタビュー 企業編 >株式会社ラッシュジャパン/ エシカルキャンペーンチーム 椎木 麗
1999年に日本にやってきた、イギリス生まれのフレッシュハンドメイドコスメ「LUSH」。チーズのように山積みになった量り売りのソープや、まるで果物やお菓子みたいなバスボムが有名な、人気のコスメブランドだ。このLUSHから、昨年発売されたのが、商品の代金が消費税を除いて全額草の根活動に取り組む人や団体への寄付になるボディークリーム「チャリティポット」。この商品によって今までに集まった寄付金は、なんと4,800万円以上になるという(2008年7月10日現在)。
全額寄付という大胆な取り組みで、社会を変えようとしているラッシュジャパンとはどのような会社なのか。チャリティポットのご担当者である椎木さんにお話を伺った。
文/山口恵里 取材/2008年7月10日

■椎木 麗さんのプロフィール
大手小売業の広報担当を経て、2005年12月に株式会社ラッシュジャパンに入社。PR、プロモーション企画、スタッフのトレーニング等を行うエシカルキャンペーンチームに所属。「チャリティポット」を担当。
――チャリティポットを販売することになったきっかけを教えていただけますか?
チャリティポットの販売は、私たちのブランドの本国であるイギリスで、草の根団体を支援しようという目的で昨年の春から始まりました。日本でも「存在が認知されていないけれどとっても頑張って活動している草の根団体をぜひ応援していきたい」、「そういった団体を、商品を通じて世間に広く知っていただきたい」という願いを込めて、昨年9月からチャリティポットの販売をスタートさせました。
――では、イギリスと日本以外でもチャリティポットを販売している国はあるんですか?
はい。LUSHは約50カ国に展開していますが、今のところアメリカ・カナダ・フィリピンでもチャリティポットを販売しています。助成先団体については、それぞれの国に任せられています。
――代金の一部が寄付になる商品はたまに見かけますが、チャリティポットは商品代金(消費税除く)が全て寄付されるんですよね!実際のところ、全て寄付するのは大変ではないんですか?
確かにチャリティポットは売れば売るほど赤字の商品なんですが、私たちはお客様だけに寄付をお願いするのではなく、ラッシュもお客様と同じように商品の販売という形で草の根活動を支援していきたいと考えています。弊社全体での利益をお客様や社会にも還元していきたいということで全額寄付にしています。
――チャリティポットの売れ行きはいかがですか?
ボディークリームとしてもお客様にご支持いただいていて、おかげさまで予想を超える売れ行きです。今年の5月末までに2万個超売れて、寄付金は合計で4,5441,280円も集まりました。これまで23,960,000円の寄付が決定していますが、まだ寄付金が2千万円ほどプールされており、助成先を毎月選考している状況です。
――現在、助成先の団体は27団体ありますが、これらの団体はどのような基準で選ばれたんですか?
だいたい月に30〜50団体から助成の申請をいただくので、助成先団体を選ぶのはとても大変です。選ぶ基準としては、分野は絞らずに「地道な草の根活動を行っている団体」「直接的な活動をしている団体」「ユニークな取り組みをされている団体」であることです。
助成先に決める前に、団体のスタッフと直接会ったり電話でお話しをするなど、必ずヒアリングをするようにしています。
――発売1周年を迎える2008年9月26日までにどれくらいの寄付が集まる見込みですか?
予測だと、約5 千万円くらいですね。当初は1年間の限定販売の予定でしたが、9月27日以降の継続販売が決定しました。
――チャリティポットの寄付金がどのような活動に使われたのかという情報は、私たちはどのようにして知ることができますか?
まずPCとモバイルサイトどちらからでも助成先団体を常に確認できますし、4半期に一度発行しているカタログでも、お客様からお預かりしたお金がどんな活動をしている団体に助成されるのかということをご紹介しています。
また、チャリティポットの蓋の部分には、それぞれの支援先団体のロゴ、団体名、活動内容、URLを記載したラベルがついていて、お店にランダムに入れてあるので、商品からも団体の活動内容を知ることができるようになっています。
お客様の中には、「私は動物実験に反対しているからこの団体のラベルのものを買おう」というように、ラベルのデザインにこだわって選ぶ方もいらっしゃるようですよ。
――動物実験といえば、7月3日から3週間"動物実験反対キャンペーン"を行っていらっしゃいますが、今回なぜこのようなキャンペーンを行うことにしたのですか?
私たちは創業当初から「動物実験を行わない会社からのみ原料の買い付けを行う」という信念を掲げています。欧米では30年ほど前から化粧品のための動物実験はすでに問題とされていて、本国イギリスのLUSHでは、これまでにも反対キャンペーンを行ってアクティブに伝えてきました。今回、日本で一般に認知度の低い化粧品のための動物実験についてのキャンペーンを行おうと決めたのは、私たちラッシュジャパンが来年10周年を迎えるに当たって、創業当時からの信念をもう一度見直そうという気持ちと、お客様にも私たちが持っている信念をぜひ知っていただきたいという気持ちからです。
2009年には、EUで動物実験を行った化粧品は一切販売禁止になることが決まっています。日本ではまず私たちから情報を発信して、お客様と一緒に声を上げて、少しでも現状を変えていければと思います。
――今後も、こういった社会的な活動を行っていくご予定ですか?
そうですね。9月26日にチャリティポットは1年間の販売期間を終了しますが、お客さまから多くのご支持をいただいている商品なので、その後も引き続き販売を継続していく予定です。助成上限金額等含めて、内容を見直した上で、継続して草の根活動の支援をしてまいります。
また、環境への配慮という面からいえば、今年からテスト的にギフト商品の緩衝材にポップコーンを利用しています。これは紙の緩衝材よりも輸送時のCO2排出量を半減できたり、生ゴミとしてコンポスト処理できる点から環境にやさしい緩衝材として、1年前からイギリスで採用されていました。ただ、日本ではとうもろこしを海外から輸入することになってしまいますし、最近は食糧難という問題もあるため、今月お客様からいただいたご意見をまとめて、今後の方針を決めていきたいと考えています。
できれば日本国内で調達できて、不要なものを再利用できるような緩衝材がないか、今必死に探しているところです。
――コスメ業界として御社が目指しているCSR活動とはどんなものですか?
私たちの作っている商品は、野菜や果物など自然由来のものがほとんどです。だから、企業としても環境に配慮することは当然のことだと思っています。また、チャリティポットによる草の根活動支援も、純粋な想いから行っていることです。理想というと、ブランドとして創業当時から持っている信念をお客様にきちんと伝えていきながら、化粧品という身近なものから社会貢献活動や、過剰包装や、動物実験などについて私たちとともに考えていただくきっかけを提供できればと思います。
――社会を変えるコスメブランドとして、今後も継続的に情報を発信していってください!本日はどうもありがとうございました。
募金箱に小銭を入れたことがある人はいるかもしれないけれど、まとまったお金を寄付することってなかなかできないこと。チャリティポットは商品代金から消費税を除いた2095円全てが寄付されるので、商品を買うことでおのずとチャリティにつながっていくというのも特長だと思います。皆さまも日常的に使うものから、チャリティに参加してみてはいかがでしょうか。
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