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スマトラ沖地震と大津波発生から1年。被災者支援現場からのレポート。〜自立の道を歩み始めたスリランカの人々〜

活動団体

アムルトジャパン

取材日

2005年12月

取材の目的

甚大な被害をもたらしたスマトラ沖地震と大津波発生から約1年後の2005年12月、津波発生からわずか2日後からスリランカ南部で救援活動を行ってきた国際協力NGO、アムルトの活動現場を視察しました。皆さんのNGO活動の理解に役立ちましたら幸いです。

大津波により55万人以上がホームレスに

スリランカはスマトラ沖地震と大津波でインドネシアに次ぐ規模の被害を受けた国で、スリランカ政府によると、死者は30,959人、破壊された家は113,625件、ホームレスは552,601人におよぶそうです。

生き残った海岸沿いの多くの被災者は、家を失い、家族を失い、船などの生計を立てていくための財産を失い、極めて困難な状況でこの一年を過ごしてきたことでしょう。このような被災者たちの支援をいち早く始めた団体の一つが、アムルトです。

アムルトのプロジェクトサイトはスリランカ南部のゴール県、マータラ県、ハンバントーク県の3つの県で、いずれも被害の大きかった海岸沿いにあります。今回はゴール県のプロジェクトサイトにご案内いただきました。

プロジェクトサイトへの道のり

スリランカ滞在中は、アムルトのスリランカ代表者のマヌさんが対応して下さいました。まずは首都コロンボの事務所にお邪魔してから、車で南部ゴール県のプロジェクトサイトにご案内いただきました。

コロンボからプロジェクトサイトに行くには、車で約3時間かかりました。南下する途中からずっと海岸線を走るのですが、津波で破壊された船がいくつも浜辺に打ち上げられていたり、家の骨組みがむき出しになっていたりと、海岸沿いの一部はまるで爆撃を受けたかのように津波の爪あとが残っていました。商店が密集まる町の中心部こそ1年前に津波が発生したことを感じさせない賑わいがありますが、テントなどの仮設住居で生活する人々や、防波堤建設現場の様子を見ると、復興の道のりはまだまだ長いことが感じられました。

スリランカ大統領賞を受賞した仮設住宅建設プロジェクト

ゴール県に着き、マヌさんにはアムルトが2005年3月から開始した仮設住宅プロジェクトの現場にご案内いただきました。アムルトの支援する地域の被災者は津波から3月ごろまではテント生活をしていたそうですが、常夏のスリランカは年中通じて気温が高く、テントの中は非常に暑くなってしまったそうです。そこで被災者から長期的にも住める仮設住宅建設の要望があり、プロジェクトが始まったとのことです。

アムルトは、地元自治体やスリランカ政府から用地の提供を受け、2005年3月から9月初めまでに105戸の仮設住宅を完成させています。1戸当たりの建設期間を聞くと、着工からおよそ1日半で完成できるそうです。また、建設費用は約550米ドルとかなり低コストで出来ています。このスピード、そしてこんなに安く家が建設できることには非常に驚かされました。

設備もしっかりしており、家には電気、トイレ、水を完備し、潮風による腐敗から守るために白ペンキで外壁を塗装しています。トタン屋根の下には防熱シートを施すなど、これまでのテントでは考えられなかった耐久性と熱を逃がす構造となっています。マヌさんからは、アムルトは被災者利益を一番に考えてプロジェクトを進めていると聞いておりましたが、その通りだと感じました。

アムルトが建設したこれらの仮設住居は、衛生面への配慮、水道や電気設備など住環境としての質の高さが評価され、スリランカ大統領官邸管轄災害対策本部(TAFOR)から大統領賞を受賞しています。

女性起業家を育成するマイクロビジネススクールプロジェクト

安心して暮らせる仮設住宅を提供した上で、アムルトは住民の自立支援のためのマイクロビジネススクールを始めています。マイクロビジネスは、大きな資本を必要としない、家で始められるような商売のことをいいます。津波で財産を失った被災者が生き抜くためには、もってこいのノウハウではないでしょうか。2005年12月までに278人がこのスクールを修了したとのことです。

スクールの受講対象者は女性で、ミシンの使い方や、地元で仕入れることのできるココナッツの皮を使ったカーペットの作り方を学びます。また、技術だけではなく、すぐに商売を始められるように会計知識、仕入れから販売までのノウハウ、銀行口座の作り方や政府からの助成金の受け取り方まで学ぶそうです。内容はまさに女性のための起業家育成スクールとなっています。生徒の一人は、最近銀行口座を開き、もういくつかの商品が売れ、貯蓄が増えていることを嬉しそうに話してくれました。

スクール中、各生徒には原材料が無償提供され、出来上がった商品は、自由に売ることができます。その売り上げは生徒がそのまま受け取ることができるため、スクールの期間中に生徒はどんどんお金を貯めることができます。

このように、スクール中に資金を貯めてもらい、永住できる家を建てるなり、授業が終了した後、本格的に商売を始めるための資金を貯めてもらうことがこのスクールの狙いです。ココナッツの皮でできたカーペットは、大きいものは玄関マットとして使えますし、魚や象の形のカーペットはオブジェとしても可愛らしい品物に仕上がっています。

視察を終えて

この1年のアムルトの支援活動は、緊急物資の配布から始まり、仮設住宅建設を経て、現在は支援の最終段階として生計回復プロジェクトであるマイクロビジネススクールの運営を開始するなど、被災者の自立を実現するために、ステージ毎に適切な支援を行ってきたといえるのではないでしょうか。

現在、アムルトの被災者支援は最終段階を迎えていますが、スクール運営にはまだまだ多くの資金が必要とのことです。永住用住宅の建設企画もあるそうですが、こちらは1戸当たり約6,000米ドルと仮設住宅よりも10倍以上の費用が必要のため、着手できずにいるそうです。アムルトの活動は、イーココロ!を通じて応援することができます。また、当然ながら直接アムルトに寄付することも出来ます。どうぞご支援ください。




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