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戦争しか知らないアフガニスタンの子どもたち

テーマ:「戦争」

 30年という長い間、戦争が続いたアフガニスタンですが、国際社会からはずっと忘れられていました。UNHCRによると、現在世界には難民認定を受けた人が約839万人いる中、22%にも上る191万人がアフガニスタンの出身だといわれています。

 戦争で失った国の経済は、世界でも最下位にまで陥っています。戦争により全てが破壊されたアフガニスタンでは、国の基盤となる教育の機会も失われ、国全体の識字率は28%、地方女性においては5%にも満たないといわれています。

 子どもたちの置かれる状況をみても、4人に1人が5歳になるまでに尊い命を失っています。

校舎がないため強い日差しの下での授業

 戦争が終わっても、子どもたちは食べていくために働かなければなりません。ブリクナちゃん(12歳)もその1人です。母親は、戦中に病死し、病気がちの父親は働くことができず、屋根や壁がかろうじてある家で姉たちとともに暮らしています。毎日、鉄くずやプラスチックなどのゴミを集めて、わずかなお金を得ています。このお金は、ブリクナちゃん自身や妹の衣服費などに当てられます。自分のものは自分で稼ぐのです。こういった子どもたちは、街のあちこちで見られます。不発弾や地雷が残留する中で、鉄くず拾いをする子どもたちが犠牲になったケースも報告されています。

 1997年にUNICEFが行った調査によると、戦争中に暴力的な行為を実際に受けたり、目の当たりにするなどの経験をした子どもたちは7割近くになると報告されています。戦時中は、食べていくために自分たちの子どもを兵士として差し出すしかなかった貧しい村がたくさんありました。そういった子どもたちが、教育の機会を得て、社会復帰をしていくためには、学力をつけるだけではなく、子どもたちが子どもらしく過ごせる機会を増やすことが重要です。

 アフガニスタンでは、現在、教材は皆無の状態で、約5000校以上の校舎が必要だといわれています。高等教育を受けた教員は15%程度であり、これ以上、教育を受けられない世代を増やさないためには緊急的な支援が必要とされています。

お話し大好き!図書館でこぼれる笑顔  シャンティ国際ボランティア会(SVA)が行う「絵本」、「紙芝居」、「おはなし」を中心とした図書館活動は、子どもたちの読み書きの力を伸ばすだけでなく、考える力、想像する力を養います。アフガニスタンの多くの子どもたちは、難民キャンプなど限られた世界しか知らないため、自分自身の文化やアイデンティティを失うという危機にあります。自国の民話を復刻していくことは、戦争で途切れてしまった世代間の文化や習慣などの継承を取り戻します。自分を知り、他者を知ることへと広げていくのです。そして、普段は厳しい環境の中で暮らしている子どもたちが図書館の中では、心から安心して子どもに戻れるのです。

 子どもたちが図書館活動と出会うことで違う世界へと導かれる喜びを感じてほしい、一度しかない子ども時代を子どもらしく過ごしてほしい、そう願いながら今日も活動を続けています。

記事 by シャンティ国際ボランティア会(SVA) 2008年4月掲載

 「シャンティ」とは「平和・寂静」を意味するサンスクリット語です。私たちは、世界の人々と「共に生き、共に学ぶ」ことを通じて、心の平安に根ざした平和な社会づくりを目指しています。 現在、タイ、ラオス、カンボジア、アフガニスタンに事務所を置き、子どもの教育、文化の支援活動に取り組んでいます。また国内外の災害支援地への緊急救援、復興支援などにも取り組んでいます。



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